(二)
夕食の時の夫婦の会話
夫:正雄は?
妻:先に食べて寝てしまったわ。
夫:ふうん。
妻:はい、おみそしる。
夫:うん。
妻:きゅうりのおつけもの。
夫:これはいいや。おや、おもしろい切り方してあるね。
妻:そう?
夫:大きいのや小さいのやつぶれたのや、こりゃひどいや。
妻:がまんしてちょうだい、正雄が切ったんだから。
夫:えっ?
妻:あのね、きょう幼稚園で、お弁当の時間に、みんなで野菜サラダを作ったんですって。
夫:へえ?
妻:だから、きゅうりはぼくが切るよって。
夫:大丈夫かい、まだ五つだよ。
妻:わたし、心配で心配で、もう少しで「やめて!」と言うそうになるのをじっとがまんしたの。汗が出たわ。
夫:やめさせたほうがいいんじゃない?
妻:だって、これからの男の子は、簡単なお料理ぐらいできるようにしておくべきだって、よく言うでしょう。
夫:うん、そりゃそうだけど。
妻:そのためには小さいうちから訓練しておかなきゃ。
夫:まあね。
妻:でも、男の自立を助けるって、たいへんなことね。疲れちゃったわ。
応用文
高齢化社会
今、日本で人々の関心を集めていることのひとつに、「高齢化社会」の問題があります。
第二次世界大戦後、日本人の平均寿命は世界でも例のない速さで伸びてきました。一九八四年の厚生省の調べによれば、日本人の平均寿命は男の人が七四点五歳、女の人が八〇点二歳です。戦前の日本人の寿命は男も女も平均五十歳ぐらいで、「人生五〇年」と言われていました。ですから、戦後四〇年ほどの間に約三〇歳も寿命が伸びたことになります。そして、その理由としてはいくつかのことが考えられます。
たとえば医学が進歩を遂げ、良い薬が開発されたことや、健康保険度が整備され、病気の治療が受けやすくなったことなどで、死亡率が低くなりました。死亡率が低くなれば平均寿命が伸びます。
しかし、それだけで人口の高齢化が進むというわけではありません。高齢化のもうひとつの大きな原因は子供の出生率が下がったことです。
戦前の一家庭の人数の平均は五人でしたが、戦後一〇年の間に子供の数は平均二人になり、それが今も続いています。
社会の発展の中で、死亡率が下がり、生まれる子供の数が減ってくると、人口全体に対する老人の割合が大きくなります。このように平均寿命が高く、老齢人口の比率が高い社会を高齢化社会といいます。そして日本では西暦二〇〇〇年には、六五歳以上の老人が七人に一人、全人口の約一五パーセントになると予測されているのです。
寿命が伸びるということは素晴らしいことです。しかし、そのような高齢化社会には、難しい問題もいろいろあります。たとえば老人の年金制度や福祉の問題についてもこれからは具体的に考えなければなりません。いずれにしても、老後をどう生きるか、これがすべての人ひとりひとりの課題です。
最近どこの町や村でも、老人クラブの活動が盛んです。老人クラブは六〇歳以上の人なら、だれでも入ることができます。老人たちはすすんで社会奉仕をしたり、スポーツや趣味を楽しんだりしています。朝の公園に集まって、ゲートボールなどをしているのもよく見られる風景です。
日本の高齢化社会への道はもう始まっています。ただ、どんなに年をとっても、人は生きているかぎり、喜びを分けあって、明るくさわやかに生きていきたいものです。
ファンクション用語
伝える
学生:あのう、先生にこの間の資料のコピー、できたかどうか聞いてくるように言われたんですが……。
係 :ああ、できましたよ。そこのつくえの上に置いてありますよ。
学生:あ、そうですか。じゃ、いただいていきます。
係 :どうぞ。
责任编辑:虫虫