014 ~上(に)
名詞 :である + 上(に)
動詞・形容詞:普通形<ナ形ーな>
【会話】
李 :もう遅いので、そろそろ失礼いたします。
田中:今日はお休みのところを、わざわざ遠いところをおいでいただいた上に、遅くまでお引き留めいたして・・・、それに何のおもてなしもできなくて・・・。
李 :いえいえ、ごちそうになった上、お土産までいただきまして、本当にありがとうございます。
【解説】
「~上(に)」は「~ し、(それに /しかも/更に) ~」と同義で、添加・累加の表現です。類義語に「~し、~」(→文型107)、「~も~ば、~も~」(→文型199)、「~ばかりか~」(→文型363)などがあります。
彼女は優しい上に、美しい。
→彼女は優しいし、美しい。
→彼女は優しくもあれば、美しくもある。
→彼女は優しいばかりか、美しい。
この文型は良いことには良いことを、悪いことには悪いことを添加・累加しないと誤文になります。例えば、「彼女は優しい上に、背が低い」は誤文です。
【例文】
1.このカメラは小型である上に、性能もすばらしい。
2.彼は弁が立つ上に、知恵と勇気を兼ね備えている。
3.お世話になった上に、送別会まで開いていただき、誠にありがとうございます。
4.わが家は手狭な上、子供も多くて、日曜日もゆっくりくつろげません。
5.生活が苦しい上に、妻の入院も重なって、もうどうしていいのかわかりません。
【例題】
1) 彼は頭がいい(上で/上に)、ユーモアもある(ので/のに)、女性(だけか/ばかりか)男性にも人気がある。
2) この店は安い上( )うまいので忘年会の会場( )は打ってつけだが、一応みんなと相談した上( )決めないか。
【前課の解答】
1) か否か(→文型040/→文型428)/見た/くれ(→文型182)
2) ていた(あのような=過去)/の(格助詞+のN)/ではない
015 ~上は
名詞 :である + 上は
動詞・形容詞:普通形<ナ形ーな>
【会話】
社長:君、今回の不祥事の責任をどうとるつもりだ。このままでは、社内のけじめがつかないぞ。
部長:ひとえに私の監督不行き届きです。かくなる上はいかような処分でも・・・。
社長:君の辞表1枚で済む問題じゃない。会社の信用がかかっているのが、まだわからないのか!
【解説】
「~上は」は「~だから、当然・必ず ~」と言う意味を表す原因・理由表現で、「~以上」(→文型009)、「~からには」(→文型056)と同義表現です。「~ 上は」は文語で硬い印象を与えますから、日常会話では「~以上」「~からには」の方が適切です。
【例文】
1.軍人である上は、戦場での上官の命令は絶対である。
2.日本に留学した上は、一日も早く日本の生活に慣れることだね。
3.君の協力が得られない上は、この計画は諦めるしかない。
4.ここまで証拠が揃った上は、包み隠さず、素直に話した方が刑も軽くなるぞ。
5.選挙民に公約した上は、政治家たるものに二言があってはならない。
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